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スウォッチで色やグラデーションを共有する(その3)

  

色を素早く指定できオブジェクト間で共有もできるスウォッチ(続き)

前の記事の『スウォッチで色やグラデーションを共有する(その2)』からの続きです。 引き続き、スウォッチの利用例について紹介します。

スウォッチを使ってみる(続き)

ここからは、スウォッチダイアログについて説明します。 スウォッチダイアログは、スウォッチの情報を管理するための専用のダイアログです

まずは、選択ツールに切り替えます。

69. 選択ツールを選択
69. 選択ツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスから選択ツールを選択します(またはキーボードのS(またはF1キー)を押します)。

次にスウォッチダイアログを開きます。

70. 表示(V) -> スウォッチ(W)...を実行
70. 表示(V) -> スウォッチ(W)...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"表示(V)" -> "スウォッチ(W)..."を実行するか、キーボードのSHIFT+CTRL+Wを押します

71. スウォッチダイアログが開く
71. スウォッチダイアログが開く

上図のようにスウォッチダイアログが開きます。 様々な色が横並びに表示されていますが、これらはフィル/ストロークダイアログのスウォッチの一覧に表示されているものと同じです

なお、左端にある×が描かれているのは、フィル(またはストローク)を削除するためのものです。 つまり、[塗りなし]ボタン([塗りなし]ボタン)と同じ機能です。

ではここで楕円のシェイプを選択してみましょう。

72. 楕円のシェイプを選択する
72. 楕円のシェイプを選択する

上図のように楕円のシェイプを選択します。

73. 四角と菱形が表示される
73. 四角と菱形が表示される

上図のようにスウォッチダイアログの色の上に四角と菱形が描かれます。 これらは、選択中のオブジェクトで利用されていることを示すものです。 フィルで利用されているスウォッチには四角が、ストロークで利用されているスウォッチには菱形が描かれます。

では、スウォッチダイアログを使って選択中のオブジェクトの色を変更してみましょう。 使い方はカラーパレットと同じで、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックでフィルに色が設定されます。

74. スウォッチダイアログの"My_Fill"をクリック
74. スウォッチダイアログの"My_Fill"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "My_Fill" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 なお、スウォッチの上にマウスカーソルを乗せると、色の名前が表示されます

75. 選択中のオブジェクトのフィルに"My_Fill"が適用される
75. 選択中のオブジェクトのフィルに"My_Fill"が適用される

上図のように選択中のオブジェクトのフィルに "My_Fill" が適用されます。

76. 四角が表示される
76. 四角が表示される

上図のようにスウォッチダイアログの "My_Fill" の上に四角が描かれました。

続いてはストロークを設定しましょう。 使い方はカラーパレットと同じで、SHIFTキーを押しながらのマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックでストロークに色が設定されます。 なお、今回はストロークを削除してみます

77. SHIFTキーを押しながらスウォッチダイアログの"なし"をクリック
77. SHIFTキーを押しながらスウォッチダイアログの"なし"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "なし" を、SHIFTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

78. 選択中のオブジェクトのストロークが削除される
78. 選択中のオブジェクトのストロークが削除される

上図のように選択中のオブジェクトのストロークが削除されます。 このように、フィル(またはストローク)を簡単に削除することもできます

では、再度ストロークを設定しましょう。 "My_Stroke" に戻します。

79. スウォッチダイアログの"My_Stroke"をクリック
79. スウォッチダイアログの"My_Stroke"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "My_Stroke" を、SHIFTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

80. 選択中のオブジェクトのストロークに"My_Stroke"が適用される
80. 選択中のオブジェクトのストロークに"My_Stroke"が適用される

上図のように選択中のオブジェクトのストロークに "My_Stroke" が適用されます。

では次に、スウォッチ "My_Stroke" を削除してみましょう。

81. サブメニューからスウォッチを削除する
81. サブメニューからスウォッチを削除する

上図のようにスウォッチの "My_Stroke" をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの"削除"を実行します。

82. ストロークが線形グラデーションに変化している
82. ストロークが線形グラデーションに変化している

上図のようにストロークが線形グラデーション([線形グラデーション]ボタン)に自動的に切り替わっています

そして、グラデーションの一覧に "My_Stroke" という名前のグラデーションが作成されており、しかも利用数(#)が 2 となっています。 つまり、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)を押した時と同じ状態になりました。

確認のため、矩形のシェイプのストロークがどうなっているかを見てみましょう

83. 矩形のシェイプを選択する
83. 矩形のシェイプを選択する

上図のように矩形のシェイプを選択します。

84. 矩形のシェイプもストロークが線形グラデーションに変化している
84. 矩形のシェイプもストロークが線形グラデーションに変化している

上図のように矩形のシェイプもストロークが線形グラデーション([線形グラデーション]ボタン)に自動的に切り替わっています。 また、選択されているグラデーションは "My_Stroke" であることがわかります。

つまり、矩形のシェイプと楕円のシェイプの色の共有は失われていない、ということです。

では、再びスウォッチを利用するように設定を変更しましょう。

85. 『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタンを選択する
85. 『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタンを選択する

上図のように『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタン([スウォッチ]ボタン)を選択します。

86. ストロークがスウォッチに切り替わる
86. ストロークがスウォッチに切り替わる

上図のようにストロークがスウォッチに切り替わり、スウォッチの一覧には "My_Stroke" が戻っています。 また、利用数(#)が 2 となっていることから、楕円のシェイプとの色の共有が保たれていることもわかります

一応、楕円のシェイプのストロークがどうなっているかを見てみましょう。

87. 楕円のシェイプを選択する
87. 楕円のシェイプを選択する

上図のように楕円のシェイプを選択します。

88. 楕円のシェイプもストロークがスウォッチに変化している
88. 楕円のシェイプもストロークがスウォッチに変化している

上図のように楕円のシェイプもストロークがスウォッチ([スウォッチ]ボタン)に変化しています。 また、選択されているグラデーションは矩形のシェイプと同じ "My_Stroke" です。

このように、スウォッチのサブメニューの"削除"を実行した結果は、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)を押した時と同じになります

  
スウォッチのサブメニューの"削除"では、未使用のスウォッチを削除することもできます。 一方、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)では未使用のスウォッチは削除できません。

続いては、スウォッチのサブメニューの"編集"を実行してみましょう。

89. サブメニューからスウォッチを編集する
89. サブメニューからスウォッチを編集する

上図のようにスウォッチの "My_Stroke" をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの"編集"を実行します。

90. グラデーションツールに切り替わっている
90. グラデーションツールに切り替わっている

上図のように画面左部にあるツールボックスのグラデーションツールが選択されています。 このようにフィル/ストロークダイアログの[グラデーションを編集]ボタン([グラデーションを編集]ボタン)を押した時と同じ結果になりました

最後に、スウォッチダイアログの表示内容をカラーパレットに切り替える方法を説明します。 実は、スウォッチダイアログはカラーパレットを表示することもできます

91. 三角マークをクリック
91. 三角マークをクリック

上図のようにスウォッチダイアログの右上にある三角マークをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

92. 一覧からカラーパレットを選択する
92. 一覧からカラーパレットを選択する

上図のようにカラーパレットの一覧が表示されますので、切り替えたいカラーパレットを選択します。 今回は "Greens" を選択してみましょう。

  
初期状態では "Auto" が選択されています。 "Auto" を選択するとスウォッチの内容が表示されます。
93. カラーパレットが切り替わる
93. カラーパレットが切り替わる

上図のようにカラーパレットが "Greens" に切り替わります。 このように、スウォッチダイアログではカラーパレットを表示することもできます

なお、画面下部のカラーパレットにもスウォッチを表示させることができます。 手順はみなさんの予想通りだと思いますが、実際にやってみましょう。

94. 三角マークをクリック
94. 三角マークをクリック

上図のようにカラーパレットの右端にある三角マークをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

95. 一覧から"Auto"を選択する
95. 一覧から"Auto"を選択する

上図のようにカラーパレットの一覧が表示されますので、"Auto"を選択します。

  
初期状態では "Inkscape default" が選択されています。
96. スウォッチが表示されるようになる
96. スウォッチが表示されるようになる

上図のようにスウォッチが表示されるようになります。 フィルで利用されていること示す四角も表示されています(ストロークで利用されていることを示す菱形も描かれます)。

このように、カラーパレットはいつでもスウォッチに切り替える事ができます。 また、スウォッチに切り替えたことで、今までは利用できなかったサブメニューの"削除"や"編集"も使えるようになっています

97. サブメニューの"削除"や"編集"が有効になる
97. サブメニューの"削除"や"編集"が有効になる

上図のようにカラーパレットをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックすると表示されるサブメニューの"削除"や"編集"が有効になっています。

このように、スウォッチダイアログと画面下部のカラーパレットは同じ機能を持っています。 画面下部のカラーパレットにスウォッチを表示させることで画面を大きく使えるという利点があります

  
  

まとめ

Inkscapeには、スウォッチを管理するためのスウォッチダイアログがあります。 スウォッチダイアログに表示されるスウォッチはフィル/ストロークダイアログのスウォッチの一覧と同じですが、左端にはフィル/ストロークを削除するための "なし" があります。

操作/コマンド 説明
SHIFT+CTRL+W スウォッチダイアログを開く

スウォッチダイアログのスウォッチの色の上には四角と菱形が描かれることがあります。 四角はオブジェクトで利用されていること示し、菱形はストロークで利用されていることを示します。

スウォッチダイアログのスウォッチの左クリックで色を設定することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
クリックした色を選択中のオブジェクトのフィルに設定する
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
SHIFT+マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
クリックした色を選択中のオブジェクトのストロークに設定する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューからも色を設定することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "フィルに設定"
クリックしたスウォッチを選択中のオブジェクトのフィルに設定する
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "ストロークに設定"
クリックしたスウォッチを選択中のオブジェクトのストロークに設定する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューの"削除"でスウォッチを削除することができます。 フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)と同じ機能ですが、こちらは未使用のスウォッチを削除することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "削除"
クリックしたスウォッチを削除する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューの"編集"でグラデーションを編集することができます。 フィル/ストロークダイアログの[グラデーションを編集]ボタン([グラデーションを編集]ボタン)と同じです。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "編集"
グラデーションを編集する
※グラデーションツールに切り替わる

スウォッチダイアログでは、右上の三角マークをクリックすることでカラーパレットの表示に切り替えることができます。 同様に、カラーパレットも右端の三角マークをクリックすることでスウォッチの表示に切り替えることができます。 スウォッチダイアログもカラーパレットも、"Auto" を選択するとスウォッチに、それ以外を選択するとカラーパレットが表示されます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログの右上の三角マークの上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
スウォッチ/カラーパレットの表示を切り替える
(カラーパレットの右端の三角マークの上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
スウォッチ/カラーパレットの表示を切り替える
メニュー