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スプレー(吹き付けるようにオブジェクトを複製)(その2)

  

その他のパラメータについて

前の記事の『スプレー(吹き付けるようにオブジェクトを複製)』からの続きです。 この記事では、解説できなかったスプレーツール関連のその他のパラメータやオプションについて解説します。

散らばり

散らばりは、名前の通りスプレーされるオブジェクトの散らばり具合を設定します。 最小の 1 に設定すると、スプレー地点に集中してオブジェクトが複製されます

  
スプレー地点とはマウスカーソルの位置のことではありません。 次に説明するパラメータである『フォーカス』によって変化します。
 

フォーカス

フォーカスは説明が難しいパラメータです。 レンズのピントを合わせるようにスプレー地点を決定するためのパラメータです。

最小の 0 にするとマウスカーソルの位置がスプレー地点になります。 虫眼鏡で光を一点に集中させた状態、といえばいいでしょうか。

最大の 100 にすると幅を半径とする円周(つまりオレンジ色の円の円周上)がスプレー地点になります。 虫眼鏡で光が全く集まっていない状態、となるでしょうか。

 

不透明領域にのみ適用

[Apply over no transparent areas]ボタン([Apply over no transparent areas]ボタン)をオンにすると、不透明領域のみが吹き付けの対象になります。 不透明領域とは何かしらのオブジェクトが置かれている領域のことです。

 

上図のように何もオブジェクトがない部分(白色の部分)には星形は吹き付けられません。

透明な領域にのみ適用

[Apply over transparent areas]ボタン([Apply over transparent areas]ボタン)をオンにすると、透明な領域のみが吹き付けの対象になります。 透明な領域とは何もオブジェクトが置かれていない場所のことです。

 

上図のように何かオブジェクトが置かれている部分には星形は吹き付けられません。

色の境目にオブジェクトを吹き付けない

[No overlap between colors]ボタン([No overlap between colors]ボタン)をオンにすると、色をまたぐオブジェクトの吹き付けが行われなくなります

 

上図のように色の境目(透明な領域と不透明領域の境目も含む)にはオブジェクトが置かれていません。

オブジェクト間の距離を保つ

[Prevent overlapping objects]ボタン([Prevent overlapping objects]ボタン)を押すと、オブジェクト間の距離を保つように吹き付けられます。 オブジェクト間の最低距離は "Offset %" で指定します(オブジェクトの大きさに対する比率をパーセントで指定する)。

  
オブジェクトの重なり防ぐための機能です。 "Offset %" に 100 以上を設定することで、オブジェクトが重ならないように吹き付けることができます。
 

上図のように "Offset %" を 100 にすると吹き付けられたオブジェクトは決して重なりません。

  
"Offset %" は[Prevent overlapping objects]ボタン([Prevent overlapping objects]ボタン)がオンの場合のみ参照されます。 不具合により、起動直後は[Prevent overlapping objects]ボタン([Prevent overlapping objects]ボタン)がオフにも関わらず表示されていますが。

吹き付け先の色を抽出してフィル(またはストローク)を塗る

[Pick color from the drawing]ボタン([Pick color from the drawing]ボタン)と[Apply picked color to fill]ボタン([Apply picked color to fill]ボタン)をオンにすると、吹き付けたオブジェクトのフィルが、吹き付け先の元の色で塗られます。 つまり、形状とストロークだけを吹き付ける、と言ってもいいかもしれません

 

上図のように吹き付けられたオブジェクトのフィルは、その地点の元の色で塗られています。 色の境目のオブジェクトである図中の (1) から (4) を見るとわかりやすいです。

  
スプレーモードがクローンモード([最初に選択したオブジェクトのクローンをスプレー]ボタン)の場合は、スプレー元のオブジェクトのフィルをアンセットにしておく必要があります。 クローンで複製されたオブジェクトは、複製元のフィルがアンセットでなければ複製元のフィルを継承してしまうためです。

フィルだけでなく、ストロークも吹き付け先の色を抽出することができます。 [Pick color from the drawing]ボタン([Pick color from the drawing]ボタン)と[Apply picked color to stroke]ボタン([Apply picked color to stroke]ボタン)をオンにすると、吹き付けたオブジェクトのストロークが、吹き付け先の元の色で塗られます。 つまり、形状とフィルだけを吹き付ける、と言えるかもしれません

 

上図のように吹き付けられたオブジェクトのストロークは、その地点の元の色で塗られています。 色の境目のオブジェクトである図中の (1) から (4) を見るとわかりやすいです。

  
スプレーモードがクローンモード([最初に選択したオブジェクトのクローンをスプレー]ボタン)の場合は、スプレー元のオブジェクトのストロークをアンセットにしておく必要があります。 クローンで複製されたオブジェクトは、複製元のストロークがアンセットでなければ複製元のストロークを継承してしまうためです。

色の反転と抽出地点

色の抽出には、2つのオプションが用意されています。 1つ目は[Inverted pick value]ボタン([Inverted pick value]ボタン)です。 このボタンをオンにすると、色相が反転します。

 

上図のように赤色なら水色に、青色なら黄色に反転します。

また、[Pick from center instead average area]ボタン[Pick from center instead average area]ボタンをオンにすると、吹き付けるオブジェクトのバウンディングボックスの中心にあるオブジェクトから色が抽出されます。

オフの場合は、面積が最も広く重なっているオブジェクトから色が抽出されます。

  
  

まとめ

スプレーツールのその他のパラメータやオプションの意味は以下の通りです。

パラメータ 意味
散らばり スプレーされるオブジェクトの散らばり具合を設定する
フォーカス スプレー地点の集中・拡散具合を設定する
操作/コマンド 説明
[Apply over no transparent areas]ボタン [不透明な領域上に適用]
不透明領域のみを吹き付けの対象にする
[Apply over transparent areas]ボタン [透明な領域上に適用]
透明な領域のみを吹き付けの対象にする
[No overlap between colors]ボタン [色の間で重ならない]
色の境目にはオブジェクトを吹き付けない
※透明な領域と不透明領域の境目も含む
[Prevent overlapping objects]ボタン [オブジェクトの重なりを防ぐ]
オブジェクト間の距離を保って吹き付ける
※オブジェクト間の最低距離は "Offset %" で指定する
[Pick color from the drawing]ボタン [描画から色を取り出します]
吹付け先の色を抽出してフィル(またはストロークを)塗る
[Apply picked color to fill]ボタン [最後に選択した色をフィルに適用]
フィルに色を抽出する
[Pick color from the drawing]ボタンがオンであること
[Inverted pick value]ボタンがオンだと色相が反転する
[Pick from center instead average area]ボタンがオンだとバウンディングボックスの中心の色が抽出される
[Apply picked color to stroke]ボタン [最後に選択した色をストロークに適用]
ストロークに色を抽出する
[Pick color from the drawing]ボタンがオンであること
[Inverted pick value]ボタンがオンだと色相が反転する
[Pick from center instead average area]ボタンがオンだとバウンディングボックスの中心の色が抽出される
 
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