トップ > 知っておきたい機能 > フィルとストローク >
メッシュグラデーション(格子状・円錐状の色の変化)(その3)

  

格子状・円錐状の複雑なグラデーション(続き)

前の記事の『メッシュグラデーション(格子状・円錐状の色の変化)(その2)』からの続きです。 引き続き、メッシュグラデーションの使い方について説明します。

メッシュグラデーションでバナナを描いてみる(続き)

メッシュの形状をバナナに合わせる作業は終わりました。 残りは、それぞれの角に色を設定する作業です。 ただし、1つ1つの角に手作業で色を設定するようなことはしません。 メッシュの下位にある色を自動的に抽出して設定させます。

自動的に色を抽出するには、対象の角を選択しておく必要があります。 キーボードのCTRL + Aを押して、全ての角を選択します

43. 全ての角を選択する
43. 全ての角を選択する

上図のように全ての角が選択されます。 これで、色を抽出する準備ができましたので、それぞれの角に色を設定しましょう。 つまり、グラデーションをかける作業です。

44. [メッシュの角に色を抽出]ボタンを押す
44. [メッシュの角に色を抽出]ボタンを押す

上図のように[メッシュの角に色を抽出]ボタン([メッシュの角に色を抽出]ボタン)を押します(またはキーボードのALT + Kを押します)。

45. 選択中の角に色が設定される
45. 選択中の角に色が設定される

上図のように選択中の角に色が設定されます。 下絵のバナナの写真から抽出した色が設定されているのがわかります。

ではここで、自動的に色を抽出する以外の色の設定方法について説明しておきます。 では、どれでもいいので角を1つ選択しましょう。

46. 角を1つ選択する
46. 角を1つ選択する

上図のようにどれでもいいので角を1つ選択します。

では、色を指定しましょう。 まずは、画面下部にあるカラーパレットから色を指定する方法です

47. 色をクリック
47. 色をクリック

上図のようにカラーパレットの設定したい色を、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

48. 選択中の角に色が設定される
48. 選択中の角に色が設定される

上図のように選択中の角に色が設定されます。

続いては、スポイトツールで他のオブジェクトの色を抽出する方法です。 ただし、画面左部にあるツールボックスの[スポイトツール]ボタン([スポイトツール]ボタン)は押さないでください

ボタンではなく、キーボードショートカットでスポイトツールに切り替えます。 では、キーボードのD(またはF7)を押してください

49. スポイトツールに切り替わる
49. スポイトツールに切り替わる

上図のようにスポイトツールに切り替わり、マウスカーソルがスポイトの形状に変わります。 では、抽出したい色を持つオブジェクトをクリックしましょう

50. 他のオブジェクトをクリックする
50. 他のオブジェクトをクリックする

上図のように他のオブジェクトをクリックします。

51. 選択中の角に色が設定される
51. 選択中の角に色が設定される

上図のように選択中の角に色が設定されます。

ではここで、再度、キーボードのD(またはF7)を押してください。 スポイトツールからメッシュツールに戻るはずです。 キーボードショートカットでスポイトツールに切り替えた場合は、再度D(またはF7)を押すと元のツールに戻ります

続いて、フィル/ストロークダイアログで色を設定する方法を解説します。

52. オブジェクト(O) -> フィル/ストローク(F)...を実行
52. オブジェクト(O) -> フィル/ストローク(F)...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"オブジェクト(O)" -> "フィル/ストローク(F)..."を実行します(またはキーボードのSHIFT + CTRL + Fを押します)。

53. フィル/ストロークダイアログが開く
53. フィル/ストロークダイアログが開く

上図のようにフィル/ストロークダイアログが開きます。 今回は緑色を設定してみましょう。

54. 緑色を指定
54. 緑色を指定

上図のように R G B A にそれぞれ、0 255 0 255を指定します。 色を設定したら、ダイアログは閉じましょう。 右上の[×]ボタン([×]ボタン)を押すことで閉じることができます

55. 選択中の角に色が設定される
55. 選択中の角に色が設定される

上図のように選択中の角に色が設定されます。 自動的に色を抽出する以外の色の設定方法については以上です。

では、選択中の角に下絵のバナナの写真から色を抽出して設定しましょう

56. [メッシュの角に色を抽出]ボタンを押す
56. [メッシュの角に色を抽出]ボタンを押す

上図のように[メッシュの角に色を抽出]ボタン([メッシュの角に色を抽出]ボタン)を押します(またはキーボードのALT + Kを押します)。

57. 選択中の角に色が設定される
57. 選択中の角に色が設定される

上図のように選択中の角に色が設定されます。 下絵のバナナの写真から抽出した色が設定されました。

これで、グラデーションをかける作業も終わりました。 選択ツールに切り替えて結果を確認してみましょう

58. 選択ツールを選択
58. 選択ツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスから選択ツールを選択します(またはキーボードのS(またはF1)を押します)。

では、バナナのパスを移動させましょう。 マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

59. バナナのパスをドラッグ
59. バナナのパスをドラッグ

上図のようにバナナのパスをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

60. 上下に並べる
60. 上下に並べる

上図のように比較しやすいように上下に並べます。 うーん、ストロークが邪魔です。 ストロークを削除しましょう

61. ストロークを削除する
61. ストロークを削除する

上図のようにストロークを削除します。 どうでしょうか、写実的なグラデーションがかかっています。 ただし、先端が消えかかっているように見えます

先端が消えかかっているように見えるのは、先端の付近の角に白色が設定されているためです。 ここは、角が下絵のバナナの写真からはみ出していた部分です

では、先端の角の色を補正しましょう。

62. 角を選択する
62. 角を選択する

上図のように修正したい角を選択します。 さらにキーボードのD(またはF7)を押してスポイトツールに切り替えます。

63. 色を抽出する位置をクリックする
63. 色を抽出する位置をクリックする

上図のように色を抽出する位置をクリックします。 同じように、はみ出していた他の角も補正しましょう

64. 完成したバナナ
64. 完成したバナナ

上図のようにバナナが完成しました。 とても写実的なグラデーションをかけることができました。

線形グラデーションや放射グラデーションでこのようなグラデーションをかけるのは手間がかかりますが、メッシュグラデーションなら簡単です。

  
線形グラデーションや放射グラデーションで同じような表現をする場合には、複数のオブジェクトを用意する必要があります。 それぞれのオブジェクトに異なるグラデーションをかけて、それを組み合わせるしかありません。
  

メッシュの行や列は分割で増やすことができる

メッシュが細かいほど(行・列が多いほど)キレイなグラデーションになりますが、メッシュの形状を整えるのはとても面倒です

ノードと違い、変形ハンドルを使った変形はできませんし、整列や配置の機能もありませんし、キーボード操作での拡大縮小・回転もできません。

そのように操作が面倒なメッシュですが、行や列の分割の機能を使うことで多少の手間を省くことができます。 メッシュの行や列は、簡単な操作で分割して増やすことができます。

最初から行・列が多いメッシュの形状を整えるのは手間がかかります。 しかし、最初は粗いメッシュで形状を整え、形状を整えたメッシュの行や列を増やすのであればそれほど手間はかかりません。 以下に例を掲載します。

1. 4行 x 2列でメッシュを作成する
1. 4行 x 2列でメッシュを作成する

上図のように4行 x 2列でメッシュを作成します。 続いて、この粗いメッシュのままで形状を整えます

2. 形状を整える
2. 形状を整える

上図のように形状を整えます。 メッシュが粗いので手間はかかりません

では、列を増やします。 新たな角を作りたい場所をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でダブルクリックします。

3. 角を作りたい場所をダブルクリックする
3. 角を作りたい場所をダブルクリックする

上図のように角を作りたい場所をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でダブルクリックします。

4. 列が分割されて3列に増える
4. 列が分割されて3列に増える

上図のように列が分割されて3列に増えました。 このように、簡単に行や列を分割して増やすことができます

では新たに追加された角を移動しましょう。

5. 新たに追加された角を移動する
5. 新たに追加された角を移動する

上図のように新たに追加された角を移動します。 では、さらに列を増やします

06. 角を作りたい場所をダブルクリックする
06. 角を作りたい場所をダブルクリックする

上図のように角を作りたい場所をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でダブルクリックします。

07. 列がさらに分割されて4列に増える
07. 列がさらに分割されて4列に増える

上図のように列がさらに分割されて4列に増えました。 このように最初は粗いメッシュで形状を整え、整えた後に行や列を増やすことで少ない手間でメッシュを加工することができます

なお、逆の機能(行や列を減らす機能)は今の時点では搭載されていません。 CTRL + Zで戻すことしかできません。

  

まとめ

CTRL + Aを押すことで全ての角を選択することができます。

操作/コマンド 説明
CTRL + A 全ての角を選択する

行・列の少ない粗いメッシュで形を整え、整えた後に行・列を分割して増やすほうがメッシュの形状を整える手間は省けます。

操作/コマンド 説明
(メッシュの枠の線の上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のダブルクリック
行または列を分割する

メッシュの形状を整えたら、[メッシュの角に色を抽出]ボタン([メッシュの角に色を抽出]ボタン)を押して下絵の色を自動的に抽出しましょう。

自動的な色の抽出で上手く色が設定できなかった角は、手作業で色を設定しましょう。 画面下部のカラーパレットのクリックや、スポイトツールでの抽出、フィル/ストロークダイアログで色の設定が行えます。

 
メニュー