Inkscapeはベクタ画像を扱うためのソフトウェアで、貼り絵のように絵を描くことができます。 ベクタ画像は写真のような緻密な表現をするのは苦手ですが、イラストを描くのには向いています。 ロゴ、ポスター、アイコンなどはベクタ画像の得意分野です。
ベクタ画像とは、数式で表現された図形で構成された画像のことです。 例えば、半径が20で色が赤色で座標(10,8)を中心とした円、という具合です。
ベクタ画像では図形は数式で表現されるため、縮小したものを拡大しても劣化しません。
一方、ピクセルと呼ばれる点の集合で表現された画像をラスタ画像と呼びます。 身近なところでは、デジカメで撮影した写真がラスタ画像です。
ラスタ画像は緻密な表現ができますが、縮小したものを拡大すると劣化します。
無償で使えるペイント系ソフトウェアの代表がGIMPです。 InkscapeとGIMPがあれば、趣味の範囲なら困ることはありません。
Inkscapeで制作するドキュメント(画像)は、SVG形式で保存されます。 SVGとは、Scalable Vector Graphics(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)の略で、拡大・縮小自在のベクタ画像という意味です。
SVGはInkscape独自のデータ形式ではなく、ウェブの国際標準組織であるW3C(World Wide Web Consortium / ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)によって開発されたオープンな規格です。
オープンな規格であるため、Inkscape以外にもAdobe Illustrator、Power Point、LibreOffice Draw、Googleドキュメントなどでも読み書きが可能です。 また、2019年12月現在、主要なウェブブラウザはSVG形式をサポートしており、SVGファイルを読み込んで表示することができます。
SVG形式はオープンな規格であるため、Inkscape以外のソフトウェアでも扱うことができます。 ただし、SVGファイルを扱えるソフトウェアは限られているため、SVG形式のままでは利用範囲が限られてしまいます。
Inkscapeは、ドキュメントをPNG形式でエクスポートすることができます。 他のソフトウェアで利用したり、ウェブサイトで公開するためにはSVG形式よりもPNG形式の方が便利です。
ペイント系ソフトウェアで読み込む場合、つまり素材として利用する場合などはPNG形式でエクスポートしましょう。 また、ウェブサイト用のアイコンなど、PNG形式で配布・公開する場合もPNG形式でエクスポートしましょう。
Inkscapeは、ベクタ画像を制作するためのドロー系ソフトウェアです。 ベクタ画像とは数式で表現された図形で構成された画像のことで、イラストに向いています。
Inkscapeでは、ドキュメントはSVG形式で読込/保存されます。 また、PNG形式でエクスポートしたものを素材として利用することもできます。